87|飯島耕一訳『アポリネール詩集』

「シュルレアリスム」の語の発明者による珠玉の詩

アポリネール詩集
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20世紀フランス詩の開拓者・アポリネールの精選詩集。シャンソンの名曲「ミラボー橋」を含む詩集『アルコール』と『カリグラム』から選取したほか、想い人・ルウへの詩篇などを収める。自らも詩人であり、シュルレアリスム詩の再発見にも尽力した飯島耕一の名訳でおくる。

 

 ミラボー橋のしたセーヌは流れ

   わたしたちの恋も

  せめて思い出そうか

 悩みのあとには喜びが来ると

 

   夜は来い鐘は鳴れ

   日は過ぎ去りわたしは残る

(本文より)

- 書  名:アポリネール詩集

- 著  者:ギヨーム・アポリネール

- 訳  者:飯島耕一

- 装  釘:鈴木哲生

- 編  集:中村外

- 仕  様:四六判(190 × 129 × 13.6ミリ)160頁

- 番  号:978-4-86763-006-8

- 初  版:2023年8月31日

- 定  価:2,800円+税

アポリネールの詩は、(…)軽快でしゃれています。が、単に軽快でしゃれているではすまない、別のものがあるのに気づきます。詩は、詩として読めばいいのです。しかし、詩は単に閑つぶしのセンチメンタルなくりごとですむものではありません。ひいては、われわれの生活意識、世界観にまで、深いところで影響を及ぼさずにはいません。アポリネールは、捉えがたい未来を知っていましたから、過去の時を知れとも言いましたが、同時に、われわれの未来には、どんな宝庫がかくされているか、はかり知れないことも知っていました。

飯島耕一(詩人)

著 者 略 歴

ギヨーム・アポリネール Guillaume Apollinaire

フランスの詩人。1880年、ローマに生まれる。99年にパリへ移り、前衛雑誌を創刊。ピカソら画家・芸術家と親交を結んだ。詩作のほか、戯曲や小説、評論などを著した。1918年、当時流行していたスペイン風邪によって38歳で世を去った。

訳 者 略 歴

飯島耕一〈いいじま・こういち〉詩人。1930年、岡山に生まれる。東京大学文学部仏文科卒業。國學院大学教授、明治大学教授を歴任した。53年に詩集『他人の空』を発表。高見順賞受賞の『ゴヤのファースト・ネームは』などの多くの詩集のほか、翻訳、評論多数。2013年没。

土曜社 doyosha [at] gmail.com